さて、E-250の運用を開始してから1ヶ月ちょっとが経ちました。
エージングによる変化も落ち着き、セッティングも色々試して傾向も分かってきたので、
とりあえずまとめておこうと思います。
音のイメージとしては、
「漆黒の宇宙空間に音楽がポッと現れ、バックでは真空中で星が煌いている。」
そんな感じです。
お前はいったい何を言っているんだ、と思われるかもしれませんが、
有り体に言えば「クール&分析的で若干高域寄りな音」とでも言いましょうか。
ただし、なんとも不思議な高域の特徴です。
破裂音やサ行が突き刺さるとか、シャリついてるとか、そういった事はありません。
が、どこか「キラッ☆」っとしています。
低域については量感に訴えるものではなく、良く動きの分かるものです。
クラシックに代表されるような大編成のオーケストラについては「流石」の一言です。
あらゆる楽器が埋もれる事無く、連携を崩す程どこかが強調される訳でもない、
とにかく大編成物しか聴かないというのであれば間違いなく最適でしょう。
以前は録音がしょぼいだけだと思っていたものが、ストレス無くスパッと聴けます。
ロック系も(シンフォニックメタル系しか聴いてませんが)、
突き刺さらないのに金属的輝きを失わない不思議な高音と
動きの分かるしっかりした低音に支えられ、割といけると感じました。
ただし見通しの良い音なので、会場の雑踏や熱気を感じたい人には恐らく向きません。
一方小編成の楽曲だと、見通しが良すぎる事もあって
「雰囲気たっぷりに」とはいかなくなり、ちょっと寂しいと感じるかもしれません。
また、弦楽器の鳴りっぷりが少々痩せて(或いは緊張して)感じます。
(これは大編成時の爽快感に繋がっていると思われ、一概に欠点とは言えません。)
ただしこの程度なら、セッティングでどうとでもなるレベルでしょう。
以上のように、楽器の再生についてはほぼ優秀な傾向です。
しかしここで大きな盲点を発見します。
それは「人の声」です。
パッと聴きは解像度も高く良く分離していますし、
どこかの音域がごっそり抜けている等という事はありません。
バランスが良い様に聞こえます。
が、どこか常に緊張しています。
なんというか、女性ヴォーカルが全般的に緊張していて、
「テルミンを聴いている時のような不安感」が常に伴います。
(実際に音が揺らめいている訳ではない。)
短い曲を数曲だけ聴いて、「本日の音楽終了!」という人には特に問題とはならないでしょう。
しかしBGMとして数時間垂れ流す私のような使い方をする場合、これは非常に疲れます。
体調が万全の時は正面からぶつかっていく事ができますが、
ちょっとでも疲れているとあっという間に敗北します。
小編成弦楽器の時の不満も、この緊張感が恐らく関係していると思われます。
もちろん、ヴォーカル物の大半がアニソンな訳で
「録音悪いだけだヴォケ」と言われればそれまでですが、
どうもそれだけではないように私は感じました。
いずれにしても、手持ちソースの7割を占めるものが聴き疲れする状態はちょっとつらい。
やはりニアフィールドリスニングには合わないって事なんだろうか。
しかしアキュで初めて聞こえてきた音があるのも事実。
うーん、難しい・・・。
性能は良いのに使い辛い、まるで
「局地迎撃戦闘機」(限定目的に対しては最強だが、汎用性は無い)
みたいな感じです。
こちらの要求仕様はどうやら、
「高次元でバランスしたマルチロールファイター」
だった様で・・・。
「F-5Eの後継にJAS-39導入を目論んでいた小国に届いたのはMiG-25だった」
みたいな状態です。
果たして使いこなせるのか、もしくは慣れるのか、
それとも気になっている別の機材追加導入に走るのか、
請うご期待?
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- 2009/05/31(日) 21:13:13|
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