DS「幻想水滸伝 ティアクライス」はコナミから発売されているRPG、
幻想水滸伝シリーズの最新作だ。
同シリーズは初体験だったが前作までとは舞台が一新されているので、
自分と同じようなユーザーでも問題なく入っていけるので御安心を。
人によって多少異なるかも知れないがRPG‥とかく国産RPGの肝と言えば、
ストーリー・キャラクター・戦闘の3つが一般的には重要視されている。
(僕はちょっと違うけど)
まず戦闘以外のストーリーとキャラクターについて。
最大で108人もが仲間になるストーリーは非常に単純明快な内容になっている。
“ひとつの道の協会”というもし現実に存在したらカルト宗教としか思えないような組織と、
真っ直ぐで人を惹きつける魅力を持つ主人公と仲間達の戦いが本作では描かれている。
物語が進むにつれ様々な謎が出てきて、本作の世界観が独特なものだということに気づかされる。
たくさんの世界が並行している百万世界、星を宿す者、謎の書、個性的な種族‥‥などなど、
シリーズ初体験のの僕にとっては新鮮かつ興味の沸く設定が目白押し。
しかし重要なのは、それらの舞台設定がストーリーに巧みに活かされていることであり、
Wi-Fi通信を利用したオンライン要素といい“見事”の一言。
そんな様々な謎が明らかになっていく中、協会のバックボーンも描かれていきエンディングへ。
たくさんの仲間との最終決戦前の穏やかな1日は感慨深かった。(若干臭い演出だったけど)
前記した協会のバックボーン(特に総長が起こした事の理由がシンプル過ぎでしょ‥)が
若干押しつけがましいとは思ったが、主人公が面白いぐらい真っ直ぐにはねのけてくれるので
ある意味では痛快な終わり方だったかなぁと。
そんなストーリーと並んで本作の最大の魅力となっているのがキャラクターである。
108人もいると各キャラクターの作りが御座なりになっているのでは?と思ったが、
皆、容姿にしろ性格にしろ非常に個性的。ただし、メインストーリーに絡んでくるのは
精々30人程度で、仲間になったはいいもののその後全く出番無しのキャラはちょっと可哀想。
まぁ全員を絡ませるなんてシナリオ担当の人が大変だからしょうがないんだけど、
あまりにも簡単に仲間になっちゃうキャラが多いのはどうなんだろうか。
やっぱりそれなりの展開(イベント)があった上で、「この人が仲間になってくれたら‥」
とプレイヤーに思わせれるかが大事でしょ。そこが多数仲間になるRPGの短所だと思った、
勿論長所でもあるのは確かなんだけど。(ちなみに僕が実際に仲間に出来たのは74人でした。)
戦闘に関しては本作の宣伝通りド派手でテンポの良いバトルが展開されるわけだが、
正直言って“それだけ”なんだよ。
痒いところにとことん手が届いてなくて、無駄が非常に多い。
例えば“属性”の概念。
それぞれの武器には属性が設定されていて敵にも同じように弱点・耐性属性が設定されていて、
弱点を突けばダメージ量は増加するし耐性属性だと半減しちゃうっていうRPGによくある要素。
しかし何故か戦闘中に武器変更が出来ないため、ザコ戦はまだしもボス戦でこっちの武器属性との
バッティングが悪ければもうどうしようもない。かと言って、それでもただ戦闘が長引くだけで、
弱点を突かなきゃ倒せないようなゲームバランスでもなく、有っても無くても同じじゃないの?
と言いたくなるかなりの無駄な要素になっているのだ。
一般的なRPGでいう魔法や特技にあたる“星の印”に関して言えば、
消費MP量がバカみたいに多くて頻繁には使えない。
しかも他のキャラと丸被りで個性なんて一切無しときたもんだ。
極めつけは“カメラアングル”。
全員のコマンド入力を終えるとちびキャラが一斉に(大抵は1~2人ずつ)動き出すのだが、
この際の割りと目まぐるしく変わるカメラアングルがかなり酷い。
攻撃した際のダメージ量のアイコンがそもそも画面に収まっていない事が多々ある。
「〇〇に〇〇のダメージをあたえた」というようなテキストが表示されないRPGにとって、
これは致命的な欠陥と言わざるをえない。ちびキャラの動きを追うのに注力して魅せようと
してくれるのは結構だが、まず情報をしっかりと伝えることを念頭に置いて欲しいものだ。
戦闘以外の不満点としては、フィールドが狭い割にエンカウント率が高くその上移動速度が遅い。
あとリレミト的な脱出魔法が無いために、ボス戦等のイベント後にダンジョンの入り口に戻るのが、
かなり面倒な作業になっている。移動速度等の不満点との相乗効果がそれに拍車を掛けている。
【総評】
ストーリーとキャラクターの魅力が肝のRPG。
独特の世界観と分かりやすい内容、それを声優陣の素晴らしい演技が盛り立てている。
(フルボイスではないが、DSのRPGでは割合は多いほうではないか。)
痒いところに手が届いていない戦闘には終始イライラするので戦闘目当ての人にはお勧めしない。
逆にストーリー性の強いRPGが好きなユーザーならば、充分に楽しめる作品に仕上がってると思う。
- 2009/06/11(木) 12:52:42|
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